スタッフブログ

2012年10月16日

「片言の方が可愛いでしょ!」(前編)

NILS日本語教師の下川です。

以前このブログで、「そんなタメ語で話さないでください」と注意した教師に向かって「だって、外国人が日本人みたいに話したら可愛くないでしょ~」と言ったアメリカ人のJさんのこと、覚えていますか? 

私たち日本語教師は「どんなに言葉や文法を知っていても、発音やイントネーションが変だったら、相手とうまくコミュニケーションができない」と思っています。

ですからNILSでは、入学当初からその点を細かく指導しています。多くの欧米人は文末も句末も全て上げて話す傾向があるのですが、しばらくすると大体の人は改善がみられます。

ところが「可愛いでしょ!」のJさんだけは、その後も教師がどんなに「正しい話し方」を教えても、全く気に留めることなく、「可愛いい(自分だけの思い込みなんだけど)」を貫き通しました。

ただ持ち前の明るさと、彼特有のぎこちない日本語のおかげ(?)で、日本人の友達もたくさんできたからでしょうか、かえって自信がついたのか、あまり発音を直そうという気がありません。そして夏休み明けには、話し方が更にフランクになっていて、誰にでも友達口調で話すようになっていました・・・。

もちろん、誰とでも日本語でフレンドリーに話せるのは素晴らしいこと。でも学校では、その場に合った話し方をするのがマナーだし、その後社会に出ても話し方の使い分けができなければ相手に不快感を与えてしまいます。

私たち教師はみんなで顔を見合わせ途方にくれてしまいました。

後編に続く。