日本語教師の矢野です。
もうすぐ3歳になる子どもの話です。
何度も読んでもらって、大体の話を覚えているであろう本をペラペラめくりながら読んで(暗誦して?)いました。
この言葉を聞いた私は「あら、意外と複雑な文が使えるのね。」と思いました。
というのも、日本語学習者の間で広く使われている『みんなの日本語』では、「~ようになりました。」という一つの文型として扱われているのですが、分析していくとこの文は1つの文にいくつもの文法事項が組み合わさっている事がわかります。
さて、ここで問題です。どんな文法事項が入っていますか?
学習順に追っていくと・・・
1.~になる (変化を表す)
2.読める (動詞の可能形)
3.~よう (様態。 ここでは新出事項)
これに文末の「た」を加えれば、4つもの要素が入っています。
言い換えれば、これらが積み重なっていなければ文の意味が分からない、という可能性もでてくるでしょう。
日本語の環境の中で育っている子どもは自然にこんな文も身につけていきますが、学習者は一つ一つ理解を重ね、練習、復習をして、ようやくそこにたどり着きます。
それをサポートするには、このような分析も必然。言葉に興味があると、それを考える過程も楽しいものです。
言葉に興味がある方、是非一度実際の現場を覗いてみてください!