NILS日本語教師の下川です。
日本語教師の仕事には「教える」こと以外にもたくさんあります。「心のケアのお手伝い」というのもその一つです。
先日授業で「日本で一人暮らしをして、寂しいと思ったのは どんな時ですか。」という話題に触れました。すると、みんなが其々の思いを熱く語っていました。以下はその時に出たことです。
1.病気になった時、母に会いたくなった。
2.国の祝日やお祭りの日、家族と過ごした時間を思い出した。
3.誕生日の日、一人でいるのはつらかった。
4.アルバイト先の人に怒られたとき、父に電話した。
5.疲れたとき、国にいるとき住んでいた家の夢を見た。
6.日本人と顔が違うので、町の人に宇宙人のように見られて、国に帰りたくなった。
学生たちからの想い出話は止めどなく続き、中には涙ぐむ学生もいました。毎日見せてくれる笑顔の裏に、こんなにも孤独を感じていたのかと少し驚きました。そしてもう忘れてしまっていたけれど、私も海外で暮らした最初の頃は慣れない地での生活が辛く寂しくて、泣いた日もあったなぁとしんみりした気持ちになりました。
留学している学生たちは今書いたような寂しさだけでなく、いろいろな悩みを抱えている人も少なくありません。
私たち日本語教師はそういう心の状態にも気を配りながら、毎日仕事をしています。
そして、そういう気持ちを理解してあげることで日本語の学習が進むこともあるんですよ。