こんにちは。 日本語教師養成講座ニューヨークアカデミー福岡大橋校の牟田です。
朝晩は少しずつでも「秋」に近づいて来たように思いますね。「澄んだ秋空に、鮮やかな
紅葉」が、待ち遠しいです。
さて、「日本語教師」というお仕事は、当然のことながら「異文化接触」というものと、
日々、向かい合うことになります。
日本は、島国で、また、第一言語も母語も「日本語」です。 私たち日本人は、なかなか、他の国の文化と直接触れ合うチャンスも、深く考えることも、あまりありませんね…
「養成講座」を受講しているときは、「日本語」の勉強はもちろんですが、私にとっては、いろんな「切り口」から、「日本」というものを知る楽しい時間でもありました。
その中で、私の記憶の中に残っているのが、アメリカの文化人類学者であるルース・ベネディクトさん(1887~1948没)という女性です。 日米の文化を比較して「菊と刀」という本を書きました。 この本は、第二次世界大戦中に調査を行い、1946年に発表されたものですが、「日本文化」について書かれた古典的な名著として、多方面で取り上げられています。
戦争中に、敵国である「日本」について、「敵国を知る!」という目的が、その底辺にはあり、徹底的に、「日本とその文化」を研究し、本に書き留められたのです。 何か、「動機」がユニークですよね。 しかし、外国人が、色々な分野、「日本」をどう感じたかなど、興味深く、楽しく授業を受けたことが思い出されます。
ベネディクトさんは、「日本と西洋の文化の違い」を、「恥と罪」「義理と義務」などのキーワードで比較しています。
「日本の文化」は、「恥の文化」だと、この本の中で言っています。
これは、「社会の中で、他人に対してマナーを守らないと、人間社会からはじき出されてしまうことを恐れて行動をする」ということ… また、「恩や義理人情」などを常に考えて、自分が属する「集団の倫理」を重視することです。
日本は、欧米に比べると、「唯一絶対神」というものを持たない人々がどちらかというと多いように感じます。そして、その代わりをしているのが「世間体」だ、と書いてあります。 「世間体」が「神」の役割を果たしているのだそうです。
「菊と刀」という本のことを知ったのは、もう9年も前のことで、忘れていたのですが、実は、この本を思い出させることが起こったのです。 それは、何でしょうか…
答えは、「コロナ」です!
日本では、強制的な「ロックダウン」も行われず、常に「国民の皆さんへのお願い!」だけで、マスク生活やその他、頑張っていますよね。 元々、衛生面に気を遣う国民ではありますが、「世間体」を考える国民性の表れなのかな… と私は思ってしまいました。
戦後の教育の変化により、日本の「恥の文化」は薄れてきた…と思っていましたが
今回の「コロナ対策」の国民一人一人の対応を見ていると、まだまだ「日本の文化」の基盤は、残っているのではないか、と感じました。
もちろん、「文化」は「自文化中心主義」ではなく、ベネディクトさんも、「師」と仰ぎ、「アメリカ人類学の父」と称されるボアズさんによって提唱された「文化相対主義」の中でも、「個々の文化には優劣がなく、どの文化も尊重すべきで、相手の文化も認めるべきだ」と言っています。
「外国人の目に映った日本」というものを読んで、思いもよらないことを知るのも、きっと楽しいかもしれません!
お時間が許すときに、ご拝読ください。
最後に、堀江貴文さん(ホリエモン)が、以前、言われた言葉をひとつ紹介したいと思います。
「日本の若者は、近頃、海外に行かない、ということが、問題視されているようですが、問題なのは、海外に行かないことではなく、海外に目を向けないことだ」と…
コロナが終息して、また、以前のように、気楽に海外に行けるようになることを祈っています。
それでは、また、ブログでお会いしましょう!
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