こんにちは。 日本語教師養成講座ニューヨークアカデミー福岡大橋校の牟田です。
先日、気象庁から、「今年の夏は異常気象」と発表されていましたが、単なるその一言では、言い表わせないですよね。 気温40℃など、どんなものか私には考えられないです。
酷暑の夏もあと少し! 皆さん、ご自愛ください!
さて、私たちは、日々、たくさんの人々とコミュニケーションを取りながら生活をしています。 その会話の中では、当然のことながら、Q&Aがなされます。 例えば…
Q:「朝ご飯、何を食べた?」 A:「クロワッサンとサラダとミルク!」
Q:「お盆は、みんな、帰省された?」 A:「いや、東京の息子は帰って来なかったよ!」
こうして、私たちは、楽しく、会話を進めていきます…
では、このパターンは、どうでしょうか。
Q:「ちょっと寒いね…」 A:「エアコン、消すね!」
Q:「消しゴム、持ってる?」 A:「はい、どうぞ!」
Q:「時計、持ってる?」 A:「えーと、今、10時5分だよ」
Q:「あそこの棚、手がとどく?」 A:「(荷物を取ってあげて)はい、どうぞ!」
さあ、どうでしょうか。これらのパターンは、ちょっと違いますよね!
最初の例を考えてみましょう。
ある部屋で、「ちょっと寒いね…」と発言した場合… 「エアコンを消してください」と単刀直入に言わずに、相手に消してもらう。 つまり、「話し手の発話意図が、間接的に聞き手に伝わっていますね。 「時計、持ってる?」も、話し手は、「時計を持っているかどうか」よりも、時間が知りたいのです。
これらは、「間接発話行為」といって、アメリカの哲学者ジョン・ロジャーズ・サールが
提唱したものです。
次の例、私たちは、よく使いますよね。
母親:「もう11時よ!」 息子:「うん、もうすぐ寝る!」
夜の11時になるのに、ゲームをしている息子に、母親が、「もう11時よ!」と言っている意味は「もう遅いから、早く寝なさい」と命令しているのだと判断して、息子は、「うん、もうすぐ寝る!」と言っています。 この場合、「もう11時よ!」は文字通りの「断定」という機能とは別に、間接的に「命令」を表しているのです。
また、突然、誰かが、「火事だ!」と叫んだら、皆さんは、急いで逃げますよね!
これも、イギリスのジョン・ラングショー・オースティンが次のように分析しています。
- 発語行為→伝達を目的として意味のある文を話すこと。 例:「火事だ!」
- 発語内行為→周りのひとに、起こっていることを知らせる。 例:「大変だ!」
- 発語媒介行為→発話によって、本人と周りの人たちが行う行為 例:「逃げろ!」
つまり「火事だ!」は「逃げろ!」という意味も含んでいるのです。
さて、今日は、「含意」、つまり、「表面に現れない意味を持つこと」について、お話をさせて頂きました。
日本語社会は、典型的な「高コンテクスト文化」で、あまり、直に言葉を言わずに、間接的表現を好む傾向があるので、私たち日本人は、よくこういう会話をするように思います。
日本語教師を目指し、勉強を進めていくと、日頃、何気なく使っている日本語の「奥深さ」を大発見することが、よくありますよ!
それでは、また、ブログでお会いしましょう!
(補足:この件に関する問題が「日本語教育能力検定試験」に、度々出題されています!)
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