こんにちは。 日本語教師養成講座ニューヨークアカデミー福岡大橋校の牟田です。
「暑いですね!」だけでは、言い表せないくらいの近頃の暑さ…。 梅雨が短かった分、夏が長いような気がしますね。 皆さん、どうぞ、ご自愛ください。
さて、今日は、「メンタルレキシコン(心内辞書or 心的辞書)」についてお話ししようと思います。
何か聞き慣れない言葉ですが、皆さん、ご存知ですか。
私が、「養成講座」を受講していたとき、「初めて聞いた!」、「そうなんだ、知らなかった!」、「面白いなあ!」なんて思うことがよくありましたが、私にとって、「メンタルレキシコン」とは、その内のひとつです。
これは、個人の脳内に記憶された語に関する知識のことで、簡単に言うと、現代人の頭や心の中にある「辞書」なのです。
子どもは、短い時間で、非常に速い速度で言葉を覚え、「メンタルレキシコン」を構築していきます。 言葉を話し始める2才前後から6才の間に、平均して、一日6語、多い時期には、10語近くも、新しい言葉を覚えていくそうです。 そして、子どもは、大人が、特に一つ一つの単語の意味を教えなくても、日常生活の中で、自然に言葉を覚えてしまう。
人は、自分が覚えた言葉を脳の中に記憶して、再度、使えるように整理していきます。
個人が、習得、記憶した単語の集まりである「メンタルレキシコン」には、成人で、3万から5万語、収録されているそうです。 すごいですね! 個人の知識、経験、状況などで、言葉の並び方に個人差が、やや出るものの、人が言葉を発する際には、この「メンタルレキシコン」から検索して、言葉を選ぶのだそうです。 ところが、たまに、“取り出し”に間違いが起こり、これが“言い間違い”の原因になることがあります。
では、その原因は何でしょうか。
・音が似ているから
“ひじ”と“ひざ”を何回も言ってると、間違えてしまう、というゲームがありますよね。
・概念的に似ているから
“エスカレーター”と“エレベーター”を言い間違えてしまう。
この二つの言葉には、“階を移動する際に使う”、“大型の建物の中にある”といった共通点が多く、比較的、音も近いので、間違えやすいのです。
また、2才前後に、“とうもろこし”を“とうろもこし”と言ったりするのは、たくさんの言葉を次から次へと覚えているときで、修正されないまま、「メンタルレキシコン」に書かれてしまうからだそうです。
「メンタルレキシコン」は、五十音順に並んでいるわけでも、覚えた順になっているわけでもありません。 また、同じカテゴリーのものが、となり同士に整然と並んでいるものでもありません。
「メンタルレキシコン」に積め込み、検索しながら言葉を発し、周りの人たちとコミュニケーションをとりながら、私たちは、日常生活を送っているのです!
もう9年前に修了した「養成講座」ですが、今でも、私の「メンタルレキシコン」の中のどこかに入っていて、検索したら出てくる! ということになりますね!
最後に、もう一つ!
皆さん、「マジカルナンバー」という言葉を知っていますか。
これは、アメリカの心理学者の、ジョージ・ミラー教授によるもので、“人間が短期記憶に保持できる情報の数は、7± 2 つまり、5 ~9である。”と主張しています。 それで、携帯電話の番号は、090や080を除けば、残り8語で考えられた、ということです。
言われてみれば、番号を聞かれたら、普通、間違わずに言えますよね!
それでは、また、ブログでお会いしましょう!
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