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2022年6月1日

普段使っている日本語に敏感になれる!?日本語教師養成講座

こんにちは。日本語教師養成講座ニュ-ヨ-クアカデミ-福岡大橋校の牟田です。

 今日から6月ですね。「光陰矢の如し」です。梅雨入りすると、また、鬱陶しい日々が続きます。生き物ばかりでなく植物にとっても雨は大事ですが、未曾有の大雨で災害が起こらないことを願っています。

 さて、今日は、「語彙」について少し考えてみたいと思います。英語では〝Vocabulary″ですね! よく「語彙力」という言葉を耳にしますが、「その人がどれだけの語彙を知っていて、また、どれだけ的確に使えるかどうかを示す能力」のことです。「語彙を増やす」ということは、自分の言いたいことを正確に伝えたり、社会において、色々な場面で多くの人々とコミュニケ-ションを取るために、必要で不可欠なことだと思います。

 日本語は、英語などに比べて、「語彙」が豊富な言語だと言われています。 例えば、英語では、「私」は、〝I″しかありませんが、日本語では、「私」の他にも、「ぼく」「おれ」「吾輩」「あっし」「あたし」「わたくし」など、たくさんありますね。

 でも、その「語彙」ですが、時代の変化とともに、意味が少し変化してきているものもあります。

 まず、私の頭に浮かぶのは、「お疲れ様」という「語彙」です。 今から40年程前、私が会社で働いていた頃、先に退社する私は、「お先に失礼します。」と言い、上司は、「お疲れ様! 用心して帰ってね!」という言葉を返してくれていました。 つまり、この「語彙」は、上の人から下の人に言うものだったのですが、今では、そういう「上下関係」よりも、単に、「挨拶」として使われる、という場面が、見受けられるようになってきました。 「こんにちは!」の代わりに、また、メ-ルを打つときも、よく最初に「お疲れ様です!」と入れるようになりましたね。 意味が少し変わってきたようです。

 それともう一つ、私が気になるのは、「おはようございます。」という「語彙」です。 朝は「おはよう」、お昼からは「こんにちは」、夜になると「こんばんは」…と、子どもの頃からきちんと分けて使ってきました。 ところが、近頃では、コンビニや飲食店に夕方から入るアルバイトの方が「おはようございます!」とスタッフに言って、奥へ入って行くのをたまに見ることがあります。 「朝じゃないよ! もう夕方の6時よ!」と言いたくなるのは、私だけでしょうか…

 また、「敬意低減の法則」というものもあります。「元々その語彙が持っていた他者に対する敬意が、時間の経過、時代の変化とともに薄らいでいく法則のこと」です。 主な例として挙げられるのが、「貴様」と「お前」です。 「相手を敬う語彙」だったのに、今では残念ながら、軽蔑の対象に用いられるようになりました。

 「日本語教師」を仕事としている私ですから、特に気になるのかもしれません。時の流れによって変わってしまうことは仕方がないことかもしれませんが、「日本語の美しさ」は失ってほしくないですね。

 それでは、また、ブログでお会いしましょう!

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