こんにちは、日本語教師の平田です。
早いもので今年も6月、もうすぐ折り返し地点です。私が受け持っているクラスは来年の3月卒業なのでそろそろ進学について考えはじめなければいけない時期です。
もちろん、いきなり「どこの学校に行くか決めて願書を出しなさい」なーんて言っても学生たちには難しいので、進学指導の時間を設けて、大学の学部や専門学校で学べること、学校案内の読み方、願書の書き方などを少しずつ教えています。
5月の授業では日本語学校を卒業後、「進学したいのか」「就職したいのか」「帰国したいのか」また「自分たちが進学先で何の勉強がしたいか」などのアンケートを取りました。もう6月なので、さすがに進路はある程度固まっていると思ったのですが、学生たちのアンケートを見ると、とりあえず漠然と「東京の大学、専門学校」に行きたいという答えが一番多く、「学校の名前」「そこで何を勉強したいか」などはわからないし、決まっていない学生がほとんどでした(-_-;)
もちろん「東京の大学、専門学校」は他の地域よりも人気が高いため、募集があれば、すぐに枠が埋まってしまう状況。なので、私としても「東京は難しいよ」と何度も言うのですが、なかなか聞き入れてくれません。無理やり、学生が志望している地域を変えるわけにもいかないので、これから学生には「何を勉強したいか」「どうして東京でなければだめなのか」をもう一度、じっくり考えさせ、「東京の大学、専門学校」を目指すのなら、非常に高い日本語能力が必要だということを教えていきたいと思います。
そして、彼らにとっての問題は日本語能力だけではありません。留学生にとって学費は大きな問題です。現在、留学生が多く入学している学校の願書は翻訳がついているものもありますが、基本的には日本語しか書いていないものがほとんどなので、彼らにはまず、大学、専門学校の願書の読み方を教えなければなりません。そして、「入学金」、「授業料」、「施設費」などの必要な語彙を教え、何日までに払わなければいけないのか、先生が教えてあげるのではなく、学生自身が読み解かなければこれから大学、専門学校の2年生になったときに非常に困ることになります。日本語教師はあまり手伝いすぎることなく、学生たち自身でなんでもできるようにすることがとても大切です。もちろん、奨学金制度等、学生たちが知らないことは惜しみなく教えていきます。
これから業務自体は大変になっていきますが、NILSの学生全員が日本で心からやりたい勉強ができるように、日本語の授業はもちろん、進学指導もきっちり行う必要があります。春には学生たちの笑った顔がみられるように、頑張らないといけませんね。