こんにちは、日本語教師の十島です。今回は初級クラスの会話授業について書こうと思います。
先日の私が行った「みんなの日本語Ⅰ」15課の授業の内容(90分)です。
①みんなの日本語Ⅰ文型練習帳
②みんなの日本語Ⅰの練習C-1, C-2
③15課の文法を使った会話タスク
教案を作成するとき、最初は文法の復習を入れながら、文型練習帳の問題を解いて、次に会話練習をする流れで教案を書いていました。その途中で文法のことでわからないことがあったので、先輩の日本語教師に質問をすると、先輩からアドバイスをもらいました。
「文型練習帳は宿題でできるから、練習Cとタスクを先にやったほうがいいよ」
これは、授業の中でしかできないことを優先してやったほうがいいから、ということでした。文型練習帳は自宅でできますが、練習Cや会話のタスクはできません。当たり前のことですが、先輩から聞くまでそんなふうに考えてはいませんでした。
自宅でもできるような練習では学生もすぐに飽きてしまいます。「授業でしかできないものを」当たり前のことですけど、忘れてはいけないですよね。
また、最近練習Cと会話タスクのやり方も変えるようになりました。今までは練習C1・C2・C3をすべてしたあと、その時の文法を使ってタスクをする流れで授業をしていました。例えば、15課の練習Cは次の文法を使っています。
練習C-1 ⇒ ~てもいいですか。
練習C-2 ⇒ ~ています(結果の状態)
練習C-3 ⇒ ~ています(習慣的行為・職業)
今までなら、C-1からC-3までしたあと、C-1のタスクをするという流れで授業を進めていました。ただ、この流れで行くとまたこの文法をするのかといった感じで学生もやる気が上がりませんし、練習Cからタスクへの流れがよくないなと思うことが何度かありました。
練習Cとタスクの授業を何度か続けて担当したとき、ふと練習C-1をしたあとにタスクをすればいいんじゃないかと思い、それで授業を進めると学生もC-1から発展したものが次に練習できてやりやすそうでした。15課の授業でもこれと同じ流れで授業をしました。具体的にいうと次のような流れです。
‐活動の流れ‐(15課)
練習C-1「~てもいいですか。」
タスク1
「~てもいいですか。」を使って事務所で先生にお願いする練習
タスク2
①「~てもいいですか。」「~てはいけません。(練習Cでは取り上げられていません)」を軽く復習
②公園内でいろいろな人が釣りをしたり、遊んだりしている絵を見せて「~てもいいですか。」
⇒yesなら「ええ、いいです」/noなら「~てはいけません」といった会話をペアで考えさせる。
練習C-2「~ています」
タスク3
(C-2の中に「~てください」が使われていたので)事務所で先生にしてもらいたいことを考える練習
*コピーしてください。など
タスク4
(練習C-3は前日の文法の授業で行っていたので)写真を見せて「~ています」を使って家族を紹介する
このように、今は簡単な練習から発展したものへ練習ができるように進めています。この発展したタスクを課ごとに考えるのがまた難しく、今後の課題かなぁと思っています。