こんにちは。日本語教師の枝村です。
4月の入学シーズンが一段落して、ゴールデンウィークが過ぎたこの時期、新しい学生もようやく新しい生活に慣れ始め、勉強に集中してくる頃になります。日本語教師としても学生の名前や顔が一致してくる頃です。しかし、日本語教師を始めてわかったのは学生の名前を覚えることの難しさでした(^^;
NILSではネパール人学生が多いのですが、似たような名前が並ぶので覚えにくい時があります。同姓同名もいる場合があり、呼び分ける必要性があり、煩雑さが増します。また、NILSには欧米の学生も多数在籍しており、長い名前や、耳慣れない名前もあるので、混乱してきます。
私は進学担当として夏ごろから多くの学生の進学相談を受ける身ですが、まず、授業に入っていないクラスの学生だと名前と顔が一致しないため、呼び出しても誰かが分からない時や、間違って他の人の名前を言ってしまうこともあります。教師にとっては大勢の学生のうちの一人という認識になりがちですが、しっかりと学生一人一人と向き合う姿勢が大切になるので、できるだけ名前を覚え、間違えないように心がけています。
また、学生の名前に関することで、面白く感じるのは、学生が印鑑を作りたいと言ったときに、その学生の名前に漢字を当てる作業です。カタカナの印鑑を作ることもできますが、学生も漢字を当てた名前の印鑑を作りたがることも多く、その漢字を考える作業は意外と楽しいものです。
その人の性格や漢字の意味を考えながら、その学生に一番合った漢字を探す作業は漢字の能力とセンスを問われるもので、先生同士でいろいろなアイディアを出しながら、時には辞書を引きながら、一生懸命みんなで考えたりもします。多くの学生が、そのできた印鑑を長い年月使っていくことが想定されるので、学生自身が気に入ってくれることを願いながら漢字を選び、学生に漢字を教えた時の嬉しそうな顔を見るのが楽しみです(^^)
最後に名前の問題として、テストの時にフルネームで書かせるということ。日本ではテストの時、普通は苗字も名前も書くので、学生にもフルネームを書かせることにしています。しかし、それに慣れておらず、名前しか書かない学生も多いです。またファミリーネームやセカンドネームなどの順番を毎回違うように書く学生も出てくるので、統一させておくように指導していきます。
名前一つとっても日本語学校の中ではいろいろな問題が出てくるものだと改めて思いました。とりあえず、新入生の顔と名前を早く覚えると決意を強くする春の一日です。