こんにちは。日本語教師の薄です。
いろんな国の学生と日本語の授業をしていると、本当に楽しいことがたくさんあります。私が最近楽しかったなと思った授業の様子を紹介します(^^)/
1)「~は○○○に例えられる」という文法の練習をしていたとき、私は次のような例文を出しました。
①きれいな人はバラに例えられる
②動きが遅い人は亀に例えられる
③いろんなことを知っている人はよく辞書に例えられる
④細くて背が高くて、体力のない子供はよくもやしに例えられる
学生A:「先生、先生。ネパールでは、人がするから自分もするという人はよく羊に例えられます。」
他の学生:「ああ、ひつじはグループで動くからですね。」
学生B:「先生。今、いろんなことを知っている人はGoogleに例えられますよ!あなたはGoogle Boyですねとか」
私:「え!そうなの?私聞いたことないけれど…。」
他の学生:「本当。本当。それいいますよ」
学生C:「私の国、スウェーデンでは周りのことをよく見て知っている人はふくろうに例えられます。」
私:「それはプラスイメージで使うんですか?」
学生C:「ええ。ふくろうは知識のシンボルですから、これはいい意味ですよ。」
学生D:「香港では、何もできない人をチャーシューに例えられます。」
私:「ぶら下げられて、火であぶられるからですか?」
学生D:「そうです。私は小さい頃、母に『チャーシューの方が食べておいしいから、あなたよりチャーシューのほうがましだ』とよく言われました。」
みんな:「なるほど!!」
2)テキストにある「南米大陸の先住民にはO型しかいない」という話を授業で行っていたときに学生から出てきた疑問です。
学生A:「2万年前、アジアから南北アメリカ大陸に渡った移住者はA型、B型、O型だけだったんですね。」
学生B:「先生。アジア人にはAB型がいなかったんですか。AB型はどこから来たんですか。」
私:「え、そうだね。どういうことだろう。」
学生C:「宇宙だよ。AB型は宇宙から来たんだよ(笑)」
学生D:「じゃあ、AB型の僕は宇宙から来た人たちの子孫なのか。」
みんな:「なるほど!!」
(後日、別のトレーナーにAB型は1000年前にできたということを教えてもらいました。)
このような授業をしていると、とかくただのおしゃべりになりがちです。だから習得目標の文法を使う練習をすることや内容をしっかり読み込むことをトレーナーも学生も忘れないようにするのが大切です。
話題が広がりすぎたり、簡単な文法や語彙で話たりすことがないようにコントロールしながら、学生と授業を作り上げていく。日本語の勉強では知識を教えること、発音を直すことはとても大切ですが、話したいという意欲をもたせるのも大事にしたいなと思っています。