こんにちは。日本語教師の十島です。
先週、みんなの日本語Ⅱ38課のテストを行ったのですが、後日採点をしていると、文法のテストでほとんどの学生が下記のような間違いをしていました。
Q ミラーさんは3月に日本へ来たんですか。
…いいえ、ミラーさんは日本へ来たのは2月です。(下線部が学生の答え)
皆さんはどこが間違いかすぐに気づきますよね。正しい答えは、「ミラーさんが日本へ来たのは」ですが、多くの学生が「ミラーさんは」としていました。
フィードバックをしようと思ったのですが、「は」と「が」の使い分けはなかなか難しく、文法書に書いてあることを学生にどう噛み砕いて教えればいいのか悩みました。そこで、先輩の日本語教師に相談し、フィードバックのときに次のように説明しました。
①一つの文の中にトピックが2つあってはいけないこと
②「~日本へ来ました」までがトピックであること
ここまで、説明して「ミラーさんは」の「は」は「が」に変えなければならないと伝えました。学生は納得しているようでしたが、次回自分がこの「~のは」を教えるときはもっといい教え方ができればと思いました。
また、「は」と「が」の使い分けをどう教えようかと考えていたとき、教科書を確認してみたのですが、練習B8(『みんなの日本語Ⅱ第2版』108頁)には下記の文が書いてありました(養成講座を受講中の方はテキストをお持ちだと思いますのでご覧になってください)。
例:バンコクで生まれたんですか。(チェンマイ)
→いいえ、生まれたのはチェンマイです。
これは自分のことに関して述べているので「は」を「が」に変える練習はできません。ですが、練習Bの中に「~のは名詞です」はB8にしかなく、教科書に書いてあることだけで授業をしていると「ミラーさんは」といった間違いが起こってしまうんだなと思いました。
先輩の日本語教師がよく「『教科書を教える』のではなく『教科書で教える』ようにしてください」と言っているのですが、今日のような学生の間違いを見ると確かにそうだなと感じられました。
授業のコマが増えるとその分教案づくりに割く時間が少なくなってしまうのですが、学生にその課の中で何を教えなければならないのか、どのようにドリルを組み立てたほうがいいのかよく考えないといけないなと思います。最近の私の課題はどういうふうに練習させれば効果的なのか、また理解しやすいのかといった点です。状況を設定したり、板書を工夫したり、いろいろ試行錯誤しているので、失敗することも多いですが、よい日本語教師になれるよう努力していこうと思います。