スタッフブログ

2012年3月9日

春はいつ来ますか?

日本語教師養成講座担当の下川です。

3月に入り寒さも和らいできましたが、朝晩の風はまだ冷たく感じますね。イスラエルやインドなど暖かい国から来た学生は毎日のように「寒いです。春はいつ来ますか?」と尋ねます。「寒いけれど春はもう来ていますよ。」と言いたいところですが、この感覚を理解してもらうのは難しいでしょうね。窓の外に目をやると梅の花が鮮やかに咲き、春の香りを漂わせています。日本人にとっては春はもう始まっているのですが、「余寒」や「春浅し」のゆるやかな季節変化の感覚はどう説明したものかと考えこんでしまいます。

今週は短期コースのActivityとして飛梅で有名な太宰府天満宮へ学生たちと行きました。日本の文化や生活に直接触れるこのActivityは日本を理解する上でとても重要な授業のひとつです。出発前には神社での参拝の作法や太宰府天満宮と菅原道真についてきちんと学びます。ここでは日頃の語彙や文法の授業とは異なり、日本語教師として別のスキルが必要だし、毎回準備も大変ですが、学生の反応や表情も普段の授業とは全く異なり、楽しい授業でもあります。

太宰府は梅の花が満開で多くの人がカメラを向けていました。梅の木は福岡県の県花でもあり私たちには身近な花ですが、欧米では馴染みが薄いようです。学生はみんな口をそろえてこう言います。「きれーい!でも桜の花ではないんですか?」

帰りには参道の茶屋で梅が枝餅を食べました。甘いものには目がない学生の一人は、梅ヶ枝餅を大絶賛です。「やっぱり花より団子ですね。」と言いかけて説明が大変だなと思って黙っていました。

学生の驚きや喜びに立ち会えて、Activityの授業は日本語教師にとっても楽しい授業のひとつです。