2019年度の「日本語教育能力試験」は以下の要領で実施されます。例年同様の日程・手続きで行われていますので、来年度以降の受験を検討されている方も参考にしてください。
①出願期間
2019年6月24日(月)~8月13日(火)まで
②受験資格
特に制限しない
③試験の水準
日本語教育の専門家として必要とされる基礎的・基本的な知識・能力。
④試験の構成
時間 | 配点 | 内容 | |
試験Ⅰ | 90分 | 100点 | 原則として,出題範囲の区分ごとの設問により,日本語教育の実践につながる基礎的な知識を測定する。 |
試験Ⅱ | 30分 | 40点 | 試験Ⅰで求められる「基礎的な知識」および試験Ⅲで求められる「基礎的な問題解決能力」について,音声を媒体とした出題形式で測定する。 |
試験Ⅲ | 120分 | 100点 | 原則として出題範囲の区分横断的な設問により,熟練した日本語教員の有する現場対応能力につながる基礎的な問題解決能力を測定する。 |
⑤試験日
2019年10月27日(日) ※例年同じ時期に行われています。
⑥試験会場
札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡(予定)
⑦出願手続き
1)願書:全国の主要書店にて「日本語教育能力検定試験 受験案内」を販売
2)受験料:10,800円(消費税等含む)※平成22年
3)出願:公益財団法人日本国際教育支援協会に提出
⑧受援表の送付
2019年9月27日(金)に発送予定
⑨結果の通知
合否の結果は2019年12月20日(金)に受験者全員に文書をもって通知するとともに、合格者には合格証書を交付する。(予定)
出題範囲(平成23年度から実施する内容) ★印は優先的に出題される項目
区分 | 項目 | |
社会・文化・地域 | 1.世界と日本 | (1)諸外国・地域と日本
(2)★日本の社会と文化 |
2.異文化接触 | (1) ★異文化適応・調整
(2)人口の移動(移民・難民政策を含む) (3)児童生徒の文化間移動 |
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3.日本語教育の歴史と現状 | (1) ★日本語教育史
(2)日本語教育と国語教育 (3) ★言語政策 (4)日本語の教育哲学 (5) ★日本語及び日本語教育に関する試験 (6)日本語教育事情:世界の各地域、日本の各地域 |
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4.日本語教員の資質・能力 | ||
言語と社会 | 1.言語と社会の関係 | (1) ★社会文化能力
(2)言語接触・言語管理 (3) ★言語政策 (4)各国の教育制度・教育事情 (5) ★社会言語学・言語社会学 |
2.言語使用と社会 | (1)言語変種
(2) ★待遇・敬意表現 (3) ★言語・非言語行動 (4)コミュニケーション学 |
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3.異文化コミュニケーションと社会 | (1)言語・文化相対主義
(2)二言語併用主義(バイリンガリズム(政策)) (3) ★多文化・多言語主義 (4)アイデンティティ(自己確認、帰属意識) |
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言語と心理 | 1.言語理解の過程 | (1)予測・推測能力
(2) ★談話理解 (3)記憶・視点 (4)心理言語学・認知言語学 |
2.言語習得・発達 | (1) ★習得過程(第一言語・第二言語)
(2) ★中間言語 (3) 二言語併用主義(バイリンガリズム) (4) ★ストラテジー(学習方略) (5)学習者タイプ |
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3.異文化理解と心理 | (1)社会的技能・技術(スキル)
(2) ★異文化受容・適応 (3)日本語教育・学習の情意的側面 (4)日本語教育と障害者教育 |
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言語と教育 | 1.言語教育法・実技(実習) | (1) ★実践的知識・能力
(2) ★コースデザイン(教育課程編成)、カリキュラム編成 (3) ★教授法 (4) ★評価法 (5) ★教育実技(実習) (6) ★自己点検・授業分析能力 (7) ★誤用分析 (8) ★教材分析・開発 (9) ★教室・言語環境の設定 (10) ★目的・対象別日本語教育法 |
2.異文化間教育・コミュニケーション教育 | (1) ★異文化間教育・多文化教育
(2)国際・比較教育 (3)国際理解教育 (4) ★コミュニケーション教育 (5)異文化受容訓練 (6) ★言語間対照 (7)学習者権利 |
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3.言語教育と情報 | (1)データ処理
(2) ★メディア/情報技術活用能力(リテラシー) (3)学習支援・促進者(ファシリテーター)の養成 (4) ★教材開発・選択 (5)知的所有権問題 (6)教育工学 |
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言語一般 | 1.言語の構造一般 | (1)言語の類型
(2) ★世界の諸言語 (3) ★一般言語学・日本語学・対照言語学 (4)理論言語学・応用言語学 |
2.日本語の構造 | (1) ★日本語の構造
(2) ★音声・音韻体系 (3) ★形態・語彙体系 (4) ★文法体系 (5) ★意味体系 (6) ★語用論的規範 (7) ★文字と表記 (8)日本語史 |
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コミュニケーション能力 | (1) ★受容・理解力
(2) ★言語運用能力 (3) ★社会文化能力 (4) ★対人関係能力 (5) ★異文化調整能力 |
各区分において求められる知識・能力
区分 | 求められる知識・能力 |
社会・文化・知識 | 日 本 や 日 本 の地域社会が関係する国際社会の実情や, 国際化に対する日本の国や地方自治体の政策, 地域社会の人びとの意識等を考えるために, 次のような視点と基礎的な知識を有し,それらと日本語教育の実践とを関連づける能力を有していること。
・ 国際関係論・文化論・比較文化論的な視点とそれらに関する基礎的知識 ・ 政治的・経済的・社会的・地政学的な視点とそれらに関する基礎的知識 ・ 宗教的・民族的・歴史的な視点とそれらに関する基礎的知識 |
言語と社会 | 言語教育,言語習得および言語使用と社会との関係を考えるために,次のような視点と基礎的な知識を有し,それらと日本語教育の実践とを関連づける能力を有していること。
・ 言語教育,言語習得について,広く国際社会の動向からみた国や地域間の関係から考える視点とそれらに関する基礎的知識 ・ 言語教育,言語習得について,それぞれの社会の政治的・経済的・文化的構造等との関係から考える視点とそれらに関する基礎的知識 ・ 個々人の言語使用を具体的な社会文化状況の中で考える視点とそれらに関する基礎的知識 |
言語と心理 | 言語の学習や教育の場面で起こる現象や問題の理解・解決のために,次のような視点と基礎的な知識を有し,それらと日本語教育の実践とを関連づける能力を有していること。
・ 学習の過程やスタイルあるいは個人,集団,社会等,多様な視点から捉えた言語の習得と発達に関する基礎的知識 ・ 言語教育に必要な学習理論,言語理解,認知過程に関する心理学の基礎的知識 ・ 異文化理解,異文化接触,異文化コミュニケーションに関する基礎的知識 |
言語と教育 | 学 習 活 動 を 支援するために, 次のような視点と基礎的な知識を有し, それらと日本語教育の実践とを関連づける能力を有していること。
・ 個々の学習者の特質に対するミクロな視点と,個々の学習を社会の中に位置付けるマクロな視点 ・ 学習活動を客観的に分析し,全体および問題の所在を把握するための基礎的知識 ・ 学習者のかかえる問題を解決するための教授・評価等に関する基礎的知識 |
言語一般 | 教育・学習の対象となる日本語および言語一般について次のような知識・能力を有し,それらと日本語教育の実践とを関連づける能力を有していること。
・ 現代日本語の音声・音韻,語彙,文法,意味,運用等に関する基礎的知識とそれらを客観的に分析する能力 ・ 一般言語学,対照言語学など言語の構造に関する基礎的知識 ・ 指導を滞りなく進めるため,話し言葉・書き言葉両面において円滑なコミュニケーションを行うための知識・能力 |
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