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2017年2月2日

留学生の進路指導

こんにちは。日本語教師の枝村です。
卒業まであと1か月ほどになりました。上級生は大学・専門学校の受験をし、多くの学生が合格をもらって一安心の時期です。しかし、まだまだ国公立大学を受ける学生などは今からが本番になります。

日本語教師としての仕事の一つに進路指導があります。日本語学校で学ぶ多くの学生は日本の大学・専門学校への進学を考えています。ですから進路指導はとても大切になってきます。多くの学生にとって日本の大学や専門学校の情報を手に入れることが難しく、学生の希望は

「東京の大学がいい」
「先輩が行った学校がいい」
「学費が安いところがいい」

など安易な考えになりがちです。
そこで5月くらいから少しずつ進路の話をし、7月からは進学ガイダンスやオープンキャンパスに参加することで学生たちに日本の大学や専門学校での勉強や生活に対するイメージをつけさせます。

その後、受験校を決めたらいよいよ願書の準備です。願書には普段、会話では使われない言葉も多く、学生にとって願書を仕上げる作業はかなりの時間を要します。白紙の願書を持ってきて

「先生わかりません。手伝ってください。」

と言う学生も多く見られます(泣)
そこで1時間~2時間かけ、ある程度解説しながら願書を書かせることになるのですが、まとまった時間が取れないこともあるので、願書を書くだけでで数日かかることもよくあります。さらに願書以外の必要書類をそろえ、写真を準備し、ボールペンで清書する(最初は鉛筆で下書きさせています)までさらに数日がかかることも…。そうやって1週間以上かけて願書を提出します。

しかし、進路指導はそこで終わりではありません。次は面接や小論文の練習です。面接時の部屋への入り方から座り方まで丁寧に教えていかなければいけません。日本人にとって当たり前のことでも外国人にとってはわからないことも多いので、まずはしっかりと日本のマナーを教えることから始まるのです。

そうやって受験が終わり、合格をもらう頃には学生の日本語が短期間で上達している場合があります。願書の言葉を理解し、たくさん言葉を書いて、面接練習で何回も話す。そのことで普段、大人数での授業ではできない練習ができて日本語が上達することもあります。

これらはすべて授業以外の時間で行うため、休み時間や放課後にかなりの時間を割かれることになり、授業の準備時間が削られてしまう部分があります(><) しかし、学生の最大の目標に向けてできるだけ学生に寄り添い、夢を応援していくことが日本語教師の醍醐味の一つではないでしょうか。学生が「先生、合格しました!大学に入学しても頑張ります!ありがとうございました!」と笑顔でやってくる姿を見ると、やっぱりうれしいですね(^^♪