スタッフブログ

2014年12月3日

口癖

こんにちは。日本語教師の又木です。
NILSの初級クラスでは、「みんなの日本語」というテキストを使用して勉強しているのですが、正直、学生が街中やアルバイトで聞く日本語は、方言や若者言葉など、テキストにない言葉も多く、学生は、普段日本人が何気なく使っている言葉にも興味津々です。

先日、授業で文法の説明が終わったあと、学生に質問がないか聞いたところ、あまりにも「ありません」とキッパリ言うので、「本当かなー?」と無意識に言ってしまったところ、学生から「“かな?”ってなんですか?」と質問が。
「本当ですか?本当じゃありませんか?どちらですか?その気持ちが”かな”ですよ」と答えたところ、なぜか、学生の間で「本当かなー?」がプチブームに。学生が言ったことに私が答えるごとに、みんなが「本当かなー?」と言ってくるので、普段何気なく使っている言葉にも気をつけなければならないなと思っていたのですが…。
今度は、絵カードを落としそうになってしまい、ついつい「おっとっとー」と言った途端、「先生!おっとっとーって何ですか?」と質問が。内心「また、やってしまった…。」と思いながら、冷静を装いつつ答えようとしたのですが、改めておっとっとーを説明しようとしても、何と言っていいのかわからず…。
「おっとっとーは、おっとっとーです」とジェスチャーで押し切ったところ、学生はおっとっとーの意味を雰囲気で感じとってくれたみたいで一安心していましたが、その後学生が何かを落としそうになる度に、みんなで「おっとっとー」と言う日々に…。

また、あるクラスで教えているとき、私が絵カードを探すのに手間取っていると、その姿を見た学生から「どうしよっかなー。」と言う声が。
どこかで聞いたことがあるフレーズだなと思って考えていたら、そのクラスでも教えている先生がよく使っている口癖でした。

こうやって、学生に口癖が移っていくんだなと思ったら、おもしろいと思う反面、自分の言葉遣いにも気をつけなければならないなと思った一コマでした。
日本語教師の発する言葉に学生たちはとても敏感なんですね。